人に物事を教えることは難しいですよね。
苦手意識を持っている人も多いのではないでしょうか。

しかし、他者に物事を教えてあげることで
教えてあげた人が学び、成長して、幸せになるとともに、
お互いに良好な信頼関係を築くことができるのは
「教える」ということの醍醐味でもあります。

だからこそ、人に何かを教えたり、
育てるということは素晴らしいことです。

そこで今回は、物事を教えるコツとして
他者に物事を教える際に持っておくべき
「心構え」をご紹介していきたいと思います。

今からお伝えするのは「五者の精神」と呼ばれるもので
古くから言い伝えられている格言のようなものです。

私自身、教育者という立場に身を置いているのですが
この考え方を取り入れてから生徒との関係が凄く良くなりました。

教師やコンサルタントは五者の精神を持つべき

あなたは「五者の精神」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

この言葉は「人にものを教えるコツ」を教えてくれているもので
その「心構え」を説いている格言のようなものです。

「五者の精神」とは、教育者として立派な人物になる為に
持ち合わせて置くべき心構えを示しており、
その五つの心構えとは以下の通りです。

五者の精神

・易者・・・不安を取り除く
・学者・・・物事を知り尽くす
・芸者・・・楽しませる
・医者・・・教え子の適性を見抜く
・役者・・・魅了する

横に簡単な捕捉を入れましたが
ひとつづつ順番に詳しく見ていきたいと思います。

まずは、「易者」からですね。

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人に物事を教えるコツ 教師は易者たれ

易者とは、「厄払い」や「占い」をする人を指し、
相手の不安な気持ちや懸念を取り除き
幸せに導いてあげることが仕事です。

五者の精神で「易者たれ」というのは、
教え子の不安な気持ちや、迷いの気持ちを取り除いてあげて、
進むべき道を信じさせてあげる必要があるということです。

教え子さんは自分の進んでいる道が正しいのか
不安になることもたくさんあると思います。

特に思うように結果が出ていないときは
強い不安や疑心にかられてしまうことでしょう。

そのような不安やマイナスな気持ちは
前に進もうとする気力を消耗してしまいます。

だからこそ、教師は教え子さんに対して
進むべき道が正しいということを
「信じさせて」上げる必要があるのです。

それが「教師は易者たれ」という意味です。

自分が教え子の立場であるなら
迷わせず信じさせてくれる人のほうが

「この人についていきたい」

と思えますよね。

教師だって人間ですので時に不安やネガティブになることあります。

しかし、教師は生徒の前ではあくまでも教師であるべきであり
指導者はいつなんどきでも指導者であるべきなのです。

教える側が不安を見せていれば教え子さんにも伝わってしまいます。

ですので、「易者たれ」の精神をぜひ覚えておいてください。
生徒を迷わせず、信じてついてこさせる力を持つ必要があります。

さて、次に行きましょう。

人に物事を教えるコツ 教師は学者たれ

次の「五者の精神」は「教師は学者たれ」というものです。

教師は教える物事について幅広く、そして深く知っている必要があります。

何か一つの物事を教えるにしても
その物事がほかの物事とどのような関係性、関連性を持ち
類似している部分はどのようなことで
また、異なる部分は何かをわかっていなければいけません。

時には、その物事の歴史的背景なども知っておく必要があるでしょう。

一つの物事を教えるのに、それだけを知っているのでは不十分なのです。

人に何か物事を教えるためには、
教える事に関する全体像を把握しておく必要がありますし
全体像の中でそれがどのような位置づけかを押さえる必要もあります。

なぜなら自分自身が教えることについてそこまで深く理解していてこそ
その物事における原理や法則を教えることができるからです。

その反対に教えたい物事に関する理屈や原則はもちろん、
ほかの知識とどのように関連するのかがわかっていなければ
教え子さんが納得し、満足のいくように教えることは難しいでしょう。

つまり、教師は人に物事を教える以前に
自分自身がその物事に精通している必要があるということです。

「教師は学者たれ」

ということです。

次に行きたいと思います。

人に物事を教えるコツ 教師は芸者たれ

次の五者の精神は「教師は芸者たれ」です。

芸者というのは、その場にいる人を楽しませる仕事です。

教師のあるべき姿、目指すところは

「生徒に知識を吸収してもらい、成長してもらうこと」

です。

「ただ知識を伝える」だけでは本物の教師とは言えません。

ただ知識を伝えるだけであれば、教師がわざわざ教えずとも
教科書を生徒に手渡せばできることですからね。

そうではなくて、教師は生徒を育てることが目的なのです。

ですので、生徒に一方的に必要なことだけを教えるのではなくて
時には気分転換がてら楽しませることも大事ですし、
できれば、

「生徒が興味や関心を抱きそうな話題」

と絡めて物事を教えていけることが理想です。

あなた自身に経験があるかもわかりませんが、
ただただ知識を詰め込まれるような授業は
大人になってからほとんど覚えていないと思います。

その反対に、

「授業中に先生が何気なくしてくれた面白い話」

は意外と大人になっても覚えているものではないでしょうか。

それと同じで、本当の意味で生徒に物事を教え
育てていきたいのであれば、
時には「芸者」のごとく生徒を楽しませる必要もあります。

むしろ、生徒に楽しく学んでもらってこそ
本当の意味での「吸収」「学び」に繋がっていくはずですので
この心がけは是非とも持っておきたいものです。

数年後に自分の教え子が

「あの時先生が話してくれた話まだ覚えているよ」

ということをいってくれたなら
それこそ「教師冥利に尽きる」のではないでしょうか。

これは何も「お笑い芸人」のようになれと言っているのではありません。
むしろ、そんなパフォーマンスに頼るのではなくて、

「生徒が興味関心を抱く話題と絡めて教えていく」

ということが重要なのです。

どこかの大学受験予備校の「名物講師」ように
派手なパフォーマンスばかりが生徒の記憶に残っていて
肝心の内容を覚えていなければ意味がありませんからね。

やはり、本当の意味で数年後に感謝されるのは
肝心の情報を教えてくれる教師です。

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人に物事を教えるコツ 教師は医者たれ

次の「五者の精神」は「教師は医者たれ」というものです。

医者は病人をよく観察することで、
悪い部分や病状を適切に見抜くことに長けています。

教師も医者同様に、生徒の性質を鋭く見抜く必要があるのです。

生徒は人間ですから、一人ひとりに個性があり
物事の学び方や吸収の仕方にもその個性が現れます。

だからこそ、全ての生徒に対して
同じ物事を同じように教えていくのではなく、
理想を言えば、生徒一人一人をよく観察し、
生徒一人一人に合わせた教え方をしていくことが大事です。

そうすることで、生徒の成長が早くなるからです。

例えば、人は

・理由、理屈

を重視するタイプと、

・何をするのか(やるべきこと、結論)

を重視するタイプと、

・どうやってやるのか

を重視するタイプに分かる傾向があります。

このとき、「なぜ?タイプ」には理屈や理論を教えてあげる必要がありますし、
理屈を説明する前に「何をするべきか」を示してもほとんど効果がありません。

その反対に「何をするのかタイプ」には理屈を示しても殆ど意味がなく
早く「するべきこと、結論」を伝えてあげることで伸びていきます。

「どうやってやるの?タイプ」には勉強の方法や進め方を
一つ一つ詳しく教えてあげる必要があるでしょう。
「なぜやるのか?」や「結論」を示しても殆ど響きません。

このように生徒一人一人によってタイプが違うということを認識したうえで
生徒のタイプをつぶさに観察し、生徒に合わせた教え方ができることが理想です。

生徒を多く抱えている先生になるほど、
生徒一人一人を見てあげるのは難しいことですが、
生徒が伸び悩んでいるときは、教え方を変えてみるなどして
工夫を積み重ねていくことが正しい心がけでしょう。

それでは、「五者の精神」の最後に行きたいと思います。

人に物事を教えるコツ 教師は役者たれ

「五者の精神」の最後は

「教師は役者たれ」

です。

役者は見ている人を魅了し、引き込んでいきます。

つまり、魅力的なキャラクターということですね。

これは先ほど説明した「予備校の名物講師」のように
やや偏った解釈をされている節もありますが
決して

「ただ目立っていればいい」

というわけではありません。

「役者」として重要なことは、教師として生徒から
以下のように感じてもらえる人柄を演出することです。

・この先生が言っていることは正しい
・この先生についていけば間違いない
・この先生の言っていることは信じれる

そのようなキャラクター、イメージを作ることができてこそ
生徒に影響を与え、導いていくことができるからです。

逆に、ただ「派手」で「目立つ」だけのキャラクターなど
生徒からも時間の経過とともに「見くびられ」ていきます。

現に「予備校の講師」でも、ただ派手な人というのは
いつの間にか消えていきますよね。

「人気の講師」であるほど、
生徒に抱かせている自分のキャラクターの中に必ず

「教える科目についての第一人者」

というイメージを作っています。

「教師は役者たれ」とありますが
本質はここにあるわけです。

自分が教える物事と無関係なところで
強いキャラクターを作ってもほとんど意味がありません。

生徒は決して馬鹿ではありませんので
派手さで演出してもすぐに見抜いてしまうでしょう。

生徒が本当の意味で注目し、信頼を置くのはやはり

「その分野での第一人者」

というイメージを抱かせてくれる人です。

ですので、教師として自分を演出する際は、
「その分野でのリーダー」という印象を抱かせるべきです。

どうしても演出というと「派手さ」に目が行ってしまいがちですが、
派手さなどは「肉付け」程度に捉えるといいでしょう。

あくまでも役者として重要なことは
教える物事、教科おいて、

「メリットが提供できる」

というキャラクターを演じることです。

これは重要なことなので覚えておいてもらえればと思います。

以上、「五者の精神」の解説でした。

人に教えるコツは?苦手で難しくとも教師やコンサルタントは五者たれ まとめ

「五者の精神」をもう一度まとめると以下のようになります。

五者の精神

・易者・・・不安を取り除く
・学者・・・物事を知り尽くす
・芸者・・・楽しませる
・医者・・・教え子の適性を見抜く
・役者・・・魅了する

一つ一つが重要ですので、教え子さんと向き合うときは意識してみてください。

最後に繰り返しなりますが、

「人に物事を教える」

ということは素晴らしい体験です。

人を育て成長させ、幸せに導いていくことも重要ですし、
教え子と長期的な関係を築けることも灌漑深いものです。

さらに言えば、一番成長できるのは
生徒に物事を教える「自分自身」にほかなりません。

・教えるために自分自身が学ぶこと
・教えることで理解が深まること
・指導者の自覚が芽生え、自分が成長していくこと

など、人にものを教えることで得られる利は計り知れません。

「人に利を提供したものが一番幸福になる」

という格言は正に的を得ていると感じるのです。

いずれにしても「教える」ということは
自他ともに学びと成長のあることですので
そのような関係がこれからも増えていくことを願います。

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